戦後、戦時中の軍需用材、戦災復興に伴う旺盛な木材の需要による乱伐や皆伐によって保水力を失った山の自然災害が多発し、政府は災害対策のため「拡大造林政策」を行い、成長の早い針葉樹の植林を奨励しました。
その後、木材輸入の自由化に伴い、価格の安い外材の需要が高まり、国産材の価格が高騰し、国内の林業の衰退がはじまりました。
それでも「拡大造林政策」は見直されることなく続けられ、間伐や伐採にかける費用を捻出することができず、国内の林業はさらに衰退しました。
また、建築物の不燃化及び木材消費の抑制が進んだことも要因のひとつです
昭和30年 国内自給率 94.5%
針葉樹の植林対策を行っても国内木材資源が不足しており、この不足分を補うための外地産材の輸入の段階的自由化がなされました。
昭和39年 木材輸入の全面自由化
木材輸入の全面自由化により、米松や米栂、ラジア-タパイン(ニュ-ジランド松)など大径木で品質、供給量的に安定している外材への依存が早まりました。
昭和40年 国内自給率 71.4%
価格が安く、供給量的にも安定している外材や品質の安定した集成材などの新建材に押されて、全体量が少ない国産材の衰退が始まりました。
昭和45年 国内自給率 45.0%
国内産の丸太の価格の下落により林業の経営が成り立たなくなり、林業農家の廃業や林業の就労人口の減少を招き、その結果、ますます国産材の木の手入れが出来なくなり、良質な木材が取れなくなりました。
また、プレカットの加工の普及により品質の安定化や含水率の減少などが求められたことにより、ますます外材や集成材への依存が高くなりました。
平成14年 国内自給率 18.8%
国内自給率は最低の18.8%まで落ち込みましたが、その後は合板原料にスギの利用などが進み、上昇基調に転換します。
平成28年 国内自給率 34.8%
平成12年を底に自給率は上昇し、平成28年には34.8%まで増えています。農林水産省が森林・林業を再生する指針として策定した「森林・林業再生プラン(平成21年12月)」では、「10年後の木材自給率50%以上」を目標としており、今後国産材の供給力が強化されることが見込まれます。また、高度経済成長期に集中して植林した人工林が伐採の「適齢期」を迎えており、国産材の利用は今後も拡大する可能性が高いといわれています。

(引用)林野庁ホームページより